フィリピンの語学学校比較・徹底取材記! 久保’s EYE|多国籍な学校の『要注意点』をお教えします。 |
||
![]() |
![]() |
![]() |

久保’s EYE
フィリピン留学の黎明期より活躍する、業界関係者なら知らぬものはいないCEBU21の久保光博(クボ ミツヒロ)。彼独自の切り口が鋭い視点でフィリピン留学の裏側を語る【久保’s EYE】。シリーズ第1回目となる今回は学校選びの重要な要素である「留学生の国籍比率」について語ってもらいます。
こんにちは、CEBU21の久保です。皆さまは学校選びをするとき、『多国籍』『日本人比率』という情報をチェックされた事はありますか?
留学エージェントはもとより、もしかしたら語学学校の現場で働かれているスタッフ様もここまでは説明してくれないであろう、国籍比率や多国籍な語学学校の環境の実態を詳しく述べさせて頂きます。後悔のない学校選びをしたいなら、お読みいただいて損はさせません。
『フィリピン留学は韓国人だらけ』は昔の話?
さて、皆さまはフィリピン留学の語学学校がどのような国籍比率で成り立っているかご存知でしょうか。実はたった10年の間でも以下のように変遷しているのです。
- 語学学校の国籍比率
-
1995年~2010年:ほぼ全員韓国
2010年~2014年:韓国>日本
2015年~2016年:韓国、日本>台湾
2017年~2018年:台湾>日本、韓国>ベトナム、中国 + 学校によっては中東諸国、タイ、ロシア
ひと昔前までは韓国人9割の学校はざらにありましたが、最近は韓国系の老舗校でもこのように国際化が進んでいます。(ここまではたいていの留学エージェントが教えてくれます。)
現状を見てみると “総じて”多国籍にはなっていますし、日本人生徒が多いと謳われる日本人経営校でも、2017年以降は日本人のみというところはほぼ無く、一部では外国人生徒のほうが多いという学校もあります。
学校によってその割合や偏りは異なりますので、より多国籍な環境で勉強したい!という方は次で述べるデメリットも確認しておきましょう。
多国籍な語学学校のデメリットとは?

色々な国の留学生が集まる多国籍な学校のメリットは“多くの国籍の生徒様と交流できる”、“授業以外でも英語を使えるチャンスが多い”という点に尽きます。しかし、それだけではない、多国籍な環境でのデメリットとはどういった点が挙げられるのでしょうか。
① 予約は争奪戦!
台湾やベトナムの方の申込み時期はとにかく早いです。留学シーズンのピーク(1月、2月、7月、8月)は数ヶ月前には満員になってしまうので、日本人の方が留学を検討し始めるころには学校やお部屋タイプの選択肢が少なくなっているのが実情です。
② 学食のメニューが良くも悪くもインターナショナル
台湾の方が好む薄い味付けの食事、韓国人必須の辛いキムチなど、人によっては口に合わない食事が出ることもあります。(逆に日本食が出る機会も増えたのはメリットと言えるでしょう。)
③ 生活習慣が違いすぎる
3人部屋以上の相部屋で複数国籍生徒が滞在した場合、あまりにも生活様式が違うことで、順応性の低い方だとその違いが気になって仕方がない。(体臭、宗教観、価値観の違いなど)
食事や生活習慣については人によってはかえってメリットになる場合もありますが、申込時期の違いによる空き問題は、かなり多くの日本人生徒にとって死活問題となっています。
多国籍な語学学校で留学を検討している場合は、なるべくお早目にご相談いただくのがおすすめです。
日本人比率30%に騙されてはいけない!?

さて、では学校選びを進める際に多国籍な環境を重視したい方はどういった点に注意すればよいのでしょうか?
学校の情報ページやクチコミサイトには『日本人率』や『国籍比率』が書かれているでしょう。ただ、この情報はどの語学学校も年間の平均値となっています。
もちろんウソではないですし、一部の留学エージェントではこういった事自体を知らない場合もあります。
そのため、表面上の情報だけで比較検討をして(この学校は多国籍でいいかも!)と感じても、留学に行く時期が2か月ずれるだけで実際の国籍率はこのように大きく違ってきます。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|
月初から韓国人生徒のピーク、下旬から台湾人生徒のピーク。 | 中旬まで韓国人生徒、下旬まで台湾人生徒のピーク。上旬から日本人大学生のピーク開始。 | 下旬まで日本人大学生のピーク。 | 日本人の社会人退職後の2ヶ国留学含む中長期留学の出発が比較的多い。 | ベトナム生徒がこの月から7月いっぱいまでピーク。 | 下旬から台湾人生徒のピーク開始。 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|
韓国人生徒のピーク、台湾人生徒のピーク。 | 韓国人生徒のピーク、台湾人生徒のピーク。上旬から日本人大学生のピーク開始。 | 下旬まで日本人大学生のピーク。 | - | - | - |
そのため3月や8月中旬などは(思っていたより日本人が多いな。)となりがちです。
致し方ないことではありますが、事前に知っておくのとおかないのでは大きな違いがあるでしょう。
年齢層も時期によっては大きく偏る場合があります。

社会人が多い学校や、なるべく学生が少ない学校に行きたい!といったご要望をいただくこともあります。そういった際はやはり同様にシーズンによる年齢層の違いを理解しておくことが大切です。
例えば語学学校によっては
- ・7/20~8/20と3/20~4/5の期間は日本の高校団体が多い
- ・1月と7月は韓国人が多くても、その層はほぼ親子留学
- ・5月と6月は、その過半数がベトナム人のジュニア団体
と客層・年齢層が偏る時期・シーズンも実は多くあります。
もしあなたが
“小さい子供が多い環境は騒々しそうだから避けたい”、
“日本人が多い環境は問題無いが高校生ばかりは勘弁“
というご要望をお持ちであれば、これはもうここまでの実情を把握されている“頼れるカウンセラーに相談する以外道は無い”といえます。
当社CEBU21のカウンセラー陣は季節をずらして語学学校のリアルな様子をチェックしています。
そもそも、生徒の国籍比率は重要なのでしょうか?

結論から申し上げると、数%の国籍率の違いに対して神経質になる必要はありません。
国籍比率のバランスが取れている学校は多くの国籍の留学生と交流を取れますが、あくまでグループ授業や放課後といった時間に限定されます。
なぜなら1日平均8時間あるうちの授業の半分以上はマンツーマン授業だからです。先生と一対一ですので、国籍比率は関係ないと言えるでしょう。
また1日の中で数時間受けられるグループ授業も、大半が講師1名に対し、生徒5名ほどの小グループです。グループ内に日本人が1人いるだけで日本人率は20%ですし、2名なら一気に40%に日本人率は跳ね上がります。こう見ると日本人率20%と40%の違いはそう大きな問題でないことが分かります。
「放課後に他の国の留学生とたくさん交流を持ちたい!」という方でしたら多国籍な学校がおすすめですが、そうでないのであればそこまで気にする事もなくなります。
久保’s EYE(総評)
いかがでしたでしょうか?
「多国籍」や「インターナショナルな雰囲気」 という言葉に惑わされず、どういったデメリットがあるか、どういった環境が自分にとって必要かを知ることで到着後「こんなはずではなかった…」という学校選びのミスマッチは大幅に減らすことができます。
もし詳しく学校について知りたい、話を聞いてみたいと思われましたらお気軽にお問合せ、ご来店(カウンセリング予約) ください!

Written by CEBU21留学カウンセラー
久保 光博
営業企画部長
中央大学英文科を卒業後、大手旅行会社に就職。退職後、オーストラリアで長期留学→米国企業のシンガポール支社で勤務→欧米の留学事業→フィジー専門の留学会社勤務を経た後、株式会社イージーグループに入社。営業企画部長として大手企業の英語研修案件等を担当。
『NEWS23』、『WBS』、『アルク社 海外で働く』等に出演・掲載有
▽CEBU21スタッフのご紹介はこちら