旅行・アクティビティ マニラの城塞都市イントラムロスで、16世紀にタイムスリップ! |
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フィリピンの首都・マニラにある、500年の時を経て息づく旧城塞都市イントラムロスは観光地としてもよく知られています。スペイン統治時代の面影を色濃く残す街並みは、現在のマニラの原型でもあります。高度経済成長が続くマニラで少しの間、過去にタイムスリップしてみませんか。

スペイン語で「壁に囲まれた街」を意味するイントラムロス(Intramuros)は、フィリピンがスペインに占領されていた16世紀に建設された旧城塞都市であり、メトロ・マニラで最も歴史的な場所です。当時のスペイン帝国によりフィリピンの植民地支配の中心地として建設されましたが、度重なる火災や震災、外部からの攻撃を受け、現在見られるような石造りの建物や高い城壁が建てられるようになりました。当時のフィリピンにおいてマニラとは、このイントラムロスを指していたそうです。
残念ながらイントラムロスは、第二次世界大戦によってほとんどの建物と城壁が破壊されましたが、戦後再建され、現在に当時の街の様子と生活を伝えています。日本と変わらない都会ライフが楽しめるマニラの中で、イントラムロスは大都市になった現在のマニラの原型を500年の時を超えて垣間見ることができる場所です。
イントラムロスの位置
イントラムロスは、メトロ・マニラの17つの行政区域の中でマニラ湾に面するマニラ地区に位置しています。マニラ地区は駐在員などの日本人が多く滞在するマカティの北に位置するエリア。イントラムロスは、マニラ市民の憩いの場・リザールパークの隣にあり、フィリピン最大の水族館・オーシャンパークからも近いです。
イントラムロスまでの移動
イントラムロスまではタクシーでの移動が良いでしょう。日本人が多く滞在するマカティからの移動時間は約40分。初めてのマニラでも、UBERやGrabのような乗車アプリを利用すると、乗車からお支払いまでスムーズに行け、安心できます(観光客の多いマカティなどの地域では通常料金に上乗せを求められることが度々ありますが、タクシー配車アプリを使えばそうした目に合うことはありません)。
参照:【UBER vs. Grab】超便利なフィリピンの配車アプリを徹底比較!
イントラムロスに入場料はある?
イントラムロスへの入場料はありません。しかし、イントラムロスにあるいくつかの建物やミュージアムなどへの入る場合には、入場料を払う必要があります。イントラムロスは城壁に囲まれた城塞都市であり、現在も学校や銀行などのさまざまな施設があります。つまり、今もなおマニラの人々の生活が営まれている場でもあるのです。
イントラムロスはどのように見学すればいい?
イントラムロス全体を見学するならば、トライシクルや馬車に乗って見学をするのがおすすめ。暑さが苦手であればタクシーを利用するのも良いでしょう。トライシクルや馬車の場合、30分あたりの値段が決まっているので、思いのままイントラムロスを見た後、乗車時間の分の値段を支払うことになります。(料金交渉もドライバーによっては可能です。)

イントラムロス観光名物の馬車
歩きながら見学することもできます。イントラムロス全体を歩き回ることは大変ですが、いくつかの有名なスポットのみを見学するのであれば、いい運動代わりにもなるでしょう。
今回CEBU21編集部がイントラムロスの主なスポットである以下のルートを、歩いてレポートしてきました。
ルート | マニラ大聖堂 → サン・アグスチン教会 → カサ・マニラ → サンチャゴ要塞 |
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所要時間 | 約3時間半 |
その様子を以下レポートしていきます。
フィリピンカトリックの中心地・マニラ大聖堂

イントラムロスを訪れる人々を最初に迎えてくれるのはフィリピンカトリックの中心地・マニラ大聖堂(Manila Cathedral)。フィリピンで最も重要な教会といわれています。それゆえマニラ大聖堂は外国人観光客だけでなく、多くのフィリピン人観光客も訪れる場所。カトリック教徒の多いフィリピンの人々にとって、一度は訪れたい教会なのです。
中に入ると、広い礼拝堂にはフィリピンらしさが感じられるステンドグラスや宗教画が展示されています。

また、アジアで最大のパイプオルガンがあることでも知られています。少しの間腰を据え、パイプオルガンが織りなす美しい響きに耳をすませてみてください。教会にはお祈りを捧げている人も多いので、写真撮影などは周囲の人々に配慮して行うようにしましょう。
地元の人々から愛される世界文化遺産・サン・アグスチン教会

San Agustin Church (Manila)
サン・アグスチン教会(San Agustin Church)は、マニラ大聖堂からまっすぐ進んだところのカサ・マニラの向かい側にあります。イントラムロスで唯一震災や戦争による破壊を免れ、昔ながらの姿をそのまま残している建築物でもあるため、歴史的価値は計りしれません。ユネスコによる世界文化遺産にも指定されています。

San Agustin Church (Manila)
サン・アグスチンの礼拝堂はとても華やかで、マニラっ子の結婚式場としても人気が高いそうです。
(私が訪れた時もちょうど結婚式が行われていました!)
また、礼拝堂の隣にはミュージアムがあり、宗教画や礼拝に使われる品物が展示されています。
サン・アグスチン教会の向かい側には、カサ・マニラがあります。スペイン語で「マニラの家」を意味するカサ・マニラ(Casa Manila)は、フィリピンがスペインの支配下にあった時代の貴族の屋敷を再建したものであり、内部は当時の暮らしを見事に再現しています(なんとトイレまで!)。しかし内部は撮影禁止なので、うっかりと写真を撮らないように注意しましょう。

屋敷の中央の庭園を挟むようにしてお土産屋さんやレストラン、ホテルなどもあり、そんな空間を散策するだけでも昔のヨーロッパの街を歩いているような気分になります。

最後に訪れた場所は、イントラムロスで最も重要な要塞であったといわれるサンチャゴ要塞(Fort Santiago)です。イントラムロスの北側には庭園、記念館、地下牢、トンネルなどがあるので、時間をかけてゆっくり回ってみましょう。
サンチャゴ要塞の入場料は、大人一人につき約75ペソです。

イントラムロスを代表するスポット・サンチャゴ要塞
サンチャゴ要塞と日本のつながり
実はサンチャゴ要塞は日本と深いつながりがある場所です。第二次世界大戦時、日本軍と米軍がここで激戦を繰り返し、その際多くの人が犠牲になりました。日本から遠く離れたマニラにも、サンチャゴ要塞のように日本の歴史と深くつながっている場所が数多くあるのです。
リザール記念館

フィリピンの英雄・リザールの記念館
サンチャゴ要塞とともに重要な場所はリザール記念館です。リザールはフィリピンのスペインからの独立を目指して活動していましたが、活動の末逮捕され、サンチャゴ要塞に投獄されました。リザール記念館には、リザールの生涯と業績について展示されており、彼の恋人であったとされる日本人女性の絵も見ることができます。
イントラムロスでティータイムを

日本でも大人気のスターバックスコーヒーですが、イントラムロスにはその城壁の一部を利用して作られた店舗があります。イントラムロスを歩き回った最後はここで冷たいものを飲みながら、これまで撮った写真を見たり感想を話し合うのもいいですね!
フィリピンの首都・マニラの原型である旧城塞都市・イントラムロス。16世紀にスペイン帝国のフィリピン支配の中心地として建設されました。第二次世界大戦の時その多くが破壊されましたが、その後再建され、今では昔のマニラの歴史と生活を伝える重要な歴史スポットです。
日本と変わらない都会ライフが楽しめるマニラですが、イントラムロスで500年の時空を超えて昔のマニラに出会う体験は特別なものとなるに違いありません!

Written by CEBU21編集部ライター
李 定恩 (Jung-Eun Lee)
ただいまフィリピンにて5回目の滞在中。今度こそジプニー乗り回せるようになりたいです。
日本米よりフィリピン米が好きです。英語も韓国語も日本語ももっと上手になりたいです。