CEBU21現地オフィス便り 前大統領はなぜ逮捕されたの?しかもオランダで拘束されてる? |
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今月の出来ことです。2025年3月11日、ドゥテルテ前大統領はマニラ国際空港で逮捕され、オランダにある国際刑事裁判所(ICC)の拘束施設に収監されました。
現在、彼はオランダの独房で収監されており、裁判の準備を進めていると報じられています。
一体、何があったのでしょう。
表面的には、
フィリピンの前大統領ロドリゴ・ドゥテルテは、在任中に「麻薬戦争」を主導し、数千人の死者を出したとして、国際刑事裁判所(ICC)の捜査を受けていました。
ICCはこの大規模な殺害行為を調査するため、ドゥテルテ前大統領に対する逮捕状を発行し、インターポールを通じてこれを執行しました。
これだけです。
ドゥテルテ前大統領はICCの逮捕状発行に対し、警察に自己防衛目的以外で麻薬容疑者の殺害を指示したことはないと容疑を否認しました。
またフィリピンは2019年にICCを脱退しまして、ICCに逮捕権がないと主張しています。
逮捕が行われ、そのままオランダに送られて後、フィリピンの大統領のボンボン・マルコスは記者会見でその事実を伝えました。
自国の前任大統領が外国機関により逮捕されたのに誇らしげに発表しました。
まだまだドゥテルテ前大統領の支持率も高く、娘のサラ・ドゥテルテが副大統領であることからすると今回のことは想像し難いものです。
この前例のない事を理解するためには少し背景を理解しなければなりません。
ドゥテルテ氏はダバオ市長の時から犯罪・麻薬との闘いで人気を得まして、安全な国を求める時代の要求に応じて大統領まで上り詰めました。
<選挙公約がこれです!>
大統領なってからその政策をさらに進め、「麻薬戦争」という措置を取ります。麻薬犯には即決処分(射殺)を指示しました。
6千人~3万人が犠牲者になった言われています。中には無実な人もいっぱいいます。
政敵を粛清する手段でもありました。政敵を逮捕してから麻薬が発見されたと言えばそれで終わりです。やりたい放題でした。
でもその分治安は良くなってたので支持率は高かったです。
<フィリピンのトランプと言われたドゥテルテ氏>
時は流れ任期が終わり、大統領選挙がきました。
大統領候補だったフェルディナンド・マルコス・ジュニア(通称ボンボンマルコス)は当選のために、支持率の高い現職大統領の娘サラ・ドゥテルテをランニングメイトとして当選を果たしました。
<この時は仲良しの二人>
<当選!でも同床異夢>
Chat GPTに何で二人が組んで選挙に挑んだか聞いてみたら以下の返事がきました。
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マルコス・ジュニア氏は、元大統領フェルディナンド・マルコスの息子であり、北部ルソン地方を中心に強い支持基盤を持っていました。一方、サラ・ドゥテルテ氏は、元大統領ロドリゴ・ドゥテルテの娘であり、南部ミンダナオ地方で高い人気を誇っていました。この2人が手を組むことで、全国的な支持を得ることができました。
父親たちの政治的影響
ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領はフィリピン国内で依然として大きな影響力を持っており、彼の支持層を取り込むことは選挙戦で非常に有利でした。マルコス・ジュニア氏は、ドゥテルテ氏の支持を受けることで勝利の可能性を高めました。
選挙制度の影響
フィリピンでは大統領と副大統領が別々に選出される制度ですが、候補者同士が協力して選挙戦を戦うことが一般的です。マルコス・ジュニア氏とサラ・ドゥテルテ氏は公式には別々の候補者でしたが、互いを支持する「統一チーム(ユニティチーム)」を結成し、共同キャンペーンを展開しました。
ポピュリズム戦略
マルコス・ジュニア氏は「経済発展」を、サラ・ドゥテルテ氏は「治安維持と強いリーダーシップ」をアピールし、国民の幅広い層に訴えかけました。この組み合わせが、多くの有権者に支持される要因となりました。
こうした理由から、2人はランニングメイトとして選挙を戦い、2022年の大統領・副大統領選挙で圧勝しました。しかし、現在では関係が悪化し、政治的な対立が表面化しています。
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お疲れ様 Chat GPTさん。
最後に関係が悪化しているとありますが、これについて原因を聞きました。
Chat GPTさん。何で二人仲悪くなったの?
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フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領とフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領の関係が悪化した主な理由は以下の通りです。
政策の不一致と指導力への批判: サラ副大統領は、マルコス大統領の指導力不足と政策の欠如を公然と批判しました。
特に、インフレや食料安全保障の問題に対する政府の対応を非難し、マルコス大統領が明確な計画を持たずに政権を運営していると指摘しました。
機密費の不正使用疑惑: サラ副大統領は、教育省の機密費を不正に使用した疑惑が持ち上がり、議会での調査が進行中です。これにより、マルコス大統領との関係がさらに緊張しました。
暗殺脅迫発言: サラ副大統領は、自身が攻撃を受けた場合、マルコス大統領とその家族を暗殺するよう指示したと公言し、両者の対立が深まりました。
これらの要因が重なり、両者の関係は悪化し、フィリピンの政治情勢に影響を及ぼしています。
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こんな返事をするChat GPTさんでした。
Chat GPTさん。それだけじゃないよ。ww
これに関する僕の意見を聞いてみる?
権力を持ってる者が欲しいのはさらなる権力のみです。
親子でも分けられないのが権力です。その権力を他人と分けるなんて最初からうまくいく筈がないです。
ドゥテルテ氏は選挙協力の見返りとして国防大臣を要求しました。選挙に勝つためにボンボンマルコスはその条件を吞みました。。
しかし、選挙が終わってからは教育大臣に任命しました。目的を達したからもう用済みってことです。
ドゥテルテ氏は新中国、ボンボンマルコスは親米という違いもありまして二人はしょっちゅうぶつかりました。
ボンボンマルコスは大統領になったのでドゥテルテ氏はもう目障りです。横領疑惑で捜査したり、ドゥテルテ氏の資金源と言われているオンラインカジノを禁止したりしました。
<ドゥテルテの資金源のPOGO禁止を発表する現職大統領>
そこで怒ったサラが驚きの行動に出ました。
それはライブ放送!
<隣のおばちゃんではありません。一国の副大統領です>
涙ながら自分が大統領から暗殺されるかもしれないと!
自分を殺すように指示が出たと言いながらもし自分が殺されたら大統領とその側近を暗殺するようにボディーガードにもう指示しておいたと言いました。
衝撃的な発言で議会は彼女の弾劾を進めました。
もう両側は和解や妥協なんかできません。
この背景で起きたのが上記のドゥテルテ氏逮捕事件なのです。
整理しますと
1.大統領選挙に勝つために二つの家門が力を合わせました。
2.力を借りて当選したものの、権力を分けたくありません。副大統領がウザい存在になりました。
3.最初の約束と違って、サラを国防大臣ではなく教育大臣に任命しました。そしてさらに横領疑惑を捜査し始めました。
4.ドゥテルテ一族の大きな後援者(?)であるPOGO(主に中国人によるオンラインカジノ)を全部不法化しました。(政権初期は支持したのに!)
5.怒ったサラ副大統領がライブで大統領の暗殺指示をしました。私が殺されたら大統領を殺すように指示したと言ったのです。
6.もう線を越えました。大統領は副大統領一族を追い出すために国際刑事裁判所(ICC)を利用して逮捕しオランダに送りました。
ドゥテルテ支持者たちのデモがあります。興奮している場合も多いので留学生の皆さんが近づかないようにしましょう。
この後、5月に議員選挙があります。ここでどちらが勝つのかによってこの戦いの行方が決まるでしょう。
今日のまとめ!
権力を持つ人が求めるもの、それはさらなる権力のみ!
せっかくなので英語の勉強を兼ねて声を出して読んでみましょう。
"The only thing a person with power wants is more power."
寂しい世の中ですね。
さらに興味のある方はこちらの動画もご参考ください。
https://www.youtube.com/watch?v=8__qbHP-uQg